教養として身につけたいテクノロジー/玉城絵美【読書ログ・感想】
AIとかビッグデータ、ARやVRとかもちろん聞いたことがある。
人に説明できますか、と言われると「えっと、、」ってなりながらふわっとして説明ができるかできないか。
今はAIスピーカーが欲しいなと思ってネットで調べたりしてる。
まだ使ったことはない。
Sakuraの事前知識はだいたいこんな感じです。
Sakuraは30代です。
ポケベルは使ったことがなくて、中学高校の頃はケータイ電話をぱかぱかしてた。
大学生か社会人か、ぐらいでスマホが出てきたかな。
これまでは生活と共にそういった機器があって。
特に意識しなくてもそういった機器を使いこなしてきた。
でもこれから10年後は?
ついていけるのか?
年をとると新しいことを覚えるのが大変になるというし、実際に両親や一緒に働くスタッフ、あるいは担当する患者さんをみていても、それはきっと正しいのだろうと思う(もちろん個人差はあれど)。
というわけでそういった「テクノロジー」というものに置いて行かれないためにも、少しずつ勉強していこうと思い手に取った本がこれです。
この本、英語タイトルがかっこいいです。
Technologies you should know to create future
かっこいい・・・
著者の玉城先生は早稲田大学創造理工学部研究科准教授で著者略歴には様々な受賞歴が華々しく載っています。
「コンピュータとヒトの間で身体感覚を伝達するHCI(Human-Computer Interaction)研究とその普及を目指している」先生だそうです。
本書の目次はこんな感じです。
この本を読むかどうか迷っている人は、あとがきをパラパラとめくってみることをお勧めします。
各チャプターが3行ぐらいずつにまとめられています。
冒頭に触れたような、AIやらVRというものをなんとなくわかっているけれど人にはちゃんと説明できないぐらいの人にとって、ちょうどさらさらと読めて、新しく得る知識もあるといったレベル感です。
だいたいわかってるよ、という人はまえがきにもありますが、太字になっているところだけを読めば効率よく読める本になっています。
ビッグデータ?なにそれ聞いたことない、みたいな人は腰をすえてゆっくりじっくり読むと、いま現時点でできていること、近い将来できそうなこと、いつかこんなことができたら、といったことを学ぶことができます。
大事なのは何より「インターフェース」
この本で最初に語られているのは「インターフェース」について。
インターフェースとは人と機械の間にある構造のこと。
例えばパソコンに何か計算させたいときの入力フォームがインターフェース。
人間の言葉を機械にわかるように翻訳し、そして機械の計算結果を人間にわかるように返してくれるもの。
技術の発展を担う中心的な役割がこの「インターフェース」だというのがこの本の一貫した論理です。
確かに技術がどんどん進んだって、それを一部の人しか利用できないのでは社会の変化にはならない。
だれでも使えるものになって初めて、社会がかわる。
これまで少なくともわたしはあまり着目したことがなかったけれど、説明されて初めてすとんと落ちた、いろんなことが理解しやすくなったと感じました。
インターフェースにどんな情報を入力するかというのは自由である。
これまで人との共有が難しかった感覚だって共有が可能になる。
例えば介護の場面で、
被介護者の中には、排便感覚が調整できなかったり、便意を介護者に伝えられなかったりするケースもある。そうしたときに、これまではオムツが用いられてきたが、センサーで身体の情報を検出してくれれば、「今トイレに行くべき」「●分後にトイレに行く」といった情報がわかる。
これってすごく便利だし、ぜひ実現されてほしい。
一般的なイメージでは認知症が進んでしまい尿意などがわからずオムツに頼ることになってしまう人、が想像されるかもしれないけれど。
認知機能が正常だっていろんな病気で尿意や便意がわからなくなってしまっている人がたくさんいる。
それで膀胱内にずっと尿がたまってしまうと感染症を発症してしまう。
そんなときにこの仕組みがあればどんなに便利か。
生活の変化
テクノロジーとインターフェースの発展により生活がどう変わるのか。
顕著に起こりうる変化としては、場所と身体の制約からの解放だ。
今でもすでに遠隔操作の技術はいくつかの分野で取り入れられている。
医療の分野ではダヴィンチといって患者さんに向かってではなく機械に向かって操作することで手術ができる技術がすでに導入されている。
ARやVRといった技術を用いることで、家にいながらにして会社やあるいは海外で仕事ができるようになる。
自分の身体という物理的な制約がなくなるのだ。
個人的な興味としては、例えば人間の三大欲求とかはどうなるのかなと。
食べる、排せつする、セックスをする。
この根源的ともいえる行動はどうなっていくのだろう。
もちろん、すべてを機械にやってもらう必要はないわけで、楽しいと思うことは自分でやればいい。
それでも、例えば今でも有名人とかで食事は少なくしてほぼサプリメントで補っているような人もいる。
AIが各個人に必要な栄養量を決めて調合するぐらいはそんなに難しくなさそう。
あるいは子孫を残すこと。
今行われているのは、パートナーとの間で妊娠できない場合に不妊治療として、とってきた卵子と精子を体外で受精させるという技術。
倫理的なことさえ無視すれば、様々な人の卵子と精子をバンクとして保存して、遺伝子情報から例えば病気になりにくい組み合わせを計算して受精させるとかは難しくないだろう。
技術が進歩したところで、それを利用するかどうかはまた別の話。
そういったところがどのように変わっていくのかを想像するのは楽しい。
今後どういった人が活躍していけるのか
テクノロジーの発展によって起こる社会の変化のひとつとして教育が取り上げられています。
塾とかだと想像しやすいですよね。
今だってすでに、全国どこにいても同じような授業を受けることができるようになっているところがあります。
動画を見るよりも実際の授業を受けた方が、という声もあるだろうけれど、そこのリアリティは技術でどうにでもなる部分。
そうやって受けられる教育に場所や時間といった制約がなくなってくる。
そういう時代に、ではどういった目標をもち、どういった技術・能力を身につけていけばいいのだろうか。
本書で挙げられているのが、「ジェネラリスト」
ここで言うジェネラリストとは、(中略)複数の専門分野を横断的に理解し、統括判断ができる人を指す。
このことを別の言い方でも繰り返している。
今後は、一つ二つ専門性はありながらも、他の分野に関しても多少専門性を持っている円錐型の人材が今後求められてくるだろう。
細かい技術とか専門性の高い作業というのは徐々にロボット、AIにとって代わられてしまう可能性がある。
だから、そういった技術を取りまとめて、プロデュースしていける人が活躍する世界がくるのでしょう。
正直自分は、自分の専門性を高めることで今はいっぱいっぱいだけれど、5年後、10年後を見据えるのであればそれだけでは戦えない。
例えば医学の世界でも最近やたらとジェネラリストの育成ということが言われていて、自分の専門外の患者さんのことも診察できるような医師を育成するため、制度の改革がどんどん行われている。
でもたぶんそういうことではなくて、身につけなければならないのは専門外の医学的知識というよりは、例えば本書に書かれているような最低限のテクノロジーの知識であり、その使い方なのだろう。
どれだけ円錐の裾野を広げられるか。
おわりに
最後の方にこう書かれています。
いつか私たちの思考や私たちの行動基準をAIが解明するのではないだろうか。すると、AIが人間自体を再構成することができるようになる。その解明し終わったときが、AIの最終的なシンギュラリティになる。
そしてそんな時が来るまでに人類がこのままであったならば、
生物学的な意義はもちろんあるが、人類の知性的な意味での意義は終了する。
そんな時がいつ来るのか、本書では少なくとも10年以上先だろうと書かれています。
10年?
あっという間に感じます。
わたしはこういう新しい世界を創っていく側にはなれないけれど、せめて、便利なものは学んで取り入れて、自分の生活・仕事などをよりよくするために活かしていけるようにはなりたい。
そのためにも、勉強は続けなければなと思います。
朝が来る/辻村深月【読書ログ・感想】家族について考えるきっかけになるお話。
私は辻村深月さんの小説全般が好きです。
一番最初に読んだのは「凍りのくじら」でした。
ドラえもん要素がちりばめられた、スコシ・ナントカなお話。
とても面白くて、それから辻村さんの小説を少しずつ読むようになりました。
この間本屋さんに行ったら辻村さんコーナーの中にまだ読んだことのない小説が平積みされていたので買ってきました。
もともとは「別冊文藝春秋」の2014年1月号から2015年3月号で連載されていたものだそうです。
文庫が出たのは2018年。
特別養子縁組という形で子供を授かった一組の夫婦とその生みの親である少女の物語です。
途中切なくもどかしくなるところもあるのだけれど、結局はみんな子供のことが大切で、ちょっと涙がこぼれながら幸せな気分で読み終わる、そんなお話でした。
概要 血のつながりと家族と
この本は4つの章から成り立っています。
第1章は幸せな夫婦と6歳の子供の現在。
そこに起こる非日常の出来事。
第2章は夫婦がそこに至るまでの過去のお話。
第3章は一人の少女が子供を妊娠し、出産、手放し。
その後壁にぶつかりまくりながらゆらゆらと揺れ動き、そして再び自分が産んだ子供を引き取った夫婦に会うまで。
第4章は夫婦、子供、そして少女が再会して紡ぐ物語。
家族の多様性は最近よく話題に挙がっているように感じる。
そんな多様性のひとつに、養子縁組もあるのだと思う。
いいとかわるいとか、そういうことではなくて家族の一つの形として。
養子だから子供を愛せないとかそういうことはないのだと、
実際に実子だって虐待だなんだと暗いニュースが毎日のように流れている昨今、
気づかせてくれる。
実際に、子供を手放すことになった少女の方は、実の両親とあまり上手くいっていなかった。
そんな少女をも包み込んでくれるのは血のつながりとか関係のない愛だったわけで。
血のつながりってなんだろう、家族ってなんだろうと思う。
養子縁組の説明会に夫婦が出向く場面で、実際に子供を受け入れて育てている夫婦が体験を話す場面。
うちの場合は、養子を考えた時、夫に言われた一言がきっかけになりました。血のつながりのない子どもって行っても、もともと、オレと君だって血がつながっていないけど家族になれたじゃないか。きっと大丈夫だよって。
このセリフがとても好き。
家族になるのに何か条件とか必要ないんだなと気づかせてくれる。
好きなキャラクター、大空くんのお母さん
養子として引き取られた子供、朝斗の友達に、大空(そら)くんという男の子がいます。
マンションが一緒、幼稚園も一緒の同い年で仲良し。
でもひょんなことからトラブルになってしまいます。
大空くんのお母さんは若くて茶髪の、サバサバしたお母さん。
トラブルで朝斗のお母さんを責め立てるんだけど。
解決した後に朝斗のお母さん、佐都子は振り返ります。
子ども同士のトラブルが起こっても、そこに、血のつながりやあの子が養子であることを持ち出さない大空くんママのことを、強い言葉で言い合ってさえ、その一点だけで、佐都子は心のどこかで信じていた。
ママ友がこういう人だったというのも、幸せな生活を送れていた要因の一つだろうなと思う。
言い合いになっちゃったのも、それぞれが自分の子供を信じていたから。
大空くんのママはつい子供をきつく叱っちゃったり手をあげちゃったりするところもあって、それはこのご時世を鑑みてもよくないことなんだけれど。
この小説に登場するメインキャラじゃない人物も、やっぱり子供を愛していて、その温かみをかんじられるエピソードでした。
おわりに
この後ひかりはどうなるんだろう?
家族との関係は?とか妄想するのも楽しいです。
小説は終わるけれど、現実の人生はこのあとも続いていくわけで。
ナナメの夕暮れ/若林正恭【読書ログ・感想】
前に南海キャンディーズの山里さんの書いた本について感想をつづった。
その本のあとがきを書いているのが山里さんの友人、オードリーの若林さんである。
というわけで、やっぱりこの2冊はセットかなと思い若林さんの著書の方も読むことにしました。
ちなみにまえがきにはこの本を読む注意点が書かれている。
生き辛いという想いを抱えていて、息を潜めて生きている人はもしよければお付き合いください。毎日が楽しくて充実しているという人は、今すぐこの本を元の位置に戻して、引き続き人生を楽しんでください。
このページも同じです。
毎日が楽しい人はそっと「戻る」ボタンを押してくださいな。
いったいどんな本なのか
本自体に興味があって手にとったわけではないから、そもそも開くまで本の内容をまったく知らなかった。
ちょっと長いけれど、帯に書かれている文言を引用する。
ぼくはずっと毎日を楽しんで生きている人にあこがれてきた。ずっと、周りの目を気にしないで自分を貫ける人にあこがれてきた。(中略)なんとか死ぬまでに、そういう人間になりたいと願ってきた。だけど、結論から言うとそういう人間になることを諦めた。諦めたし、飽きた。それが不思議なことに、「自分探し」の答えと「日々を楽しむ」ってことをたぐり寄せた。この本には、その軌跡が描かれています。(「まえがき」より)
もともと若林さんはこの本のタイトルに諦念とか諦めるという意味の言葉を入れたかったらしい。
しかし同時期に本を出した山里さんに先に使われてしまった(「天才はあきらめた/山里亮太」)。
それでこんなタイトルになったらしい。
この本は若林さんが「ダ・ヴィンチ」で連載していたコラムと、今回書き下ろされたものとの2部構成になっている。
コラムなので基本的には各話題について数ページ。
例えば、あんなもん絶対やるかと思っていたけどついにゴルフ始めちゃった、意外とおもしろい。みたいな。
なにがしかの出来事に対して考察したり、あるいはその出来事に対する自分の反応について考察したり。
頭の中で会話
まず最初の感想は、若林さんてすごく内省的な人なのかな、ということ。
「一人で平気なんですけど」という頁にはこうある。
こんな会話を頭の中でずっとしていた。
一人で居てもあまり寂しくないのは、自分と話しているからなのだ。
この自分の頭の中での会話というのはこの本の中にも繰り返し出てくる。
会話文として書かれているけれどこれは一人旅の話の途中だったような、とか。
あとがきにもこうある。
仕事や飲み会の後で、家で一人でいると頭の中がうるさすぎる。
だから、散歩をする。
別に黙っているから、ぼーっとしているから何も考えていないわけではない。
もちろん彼女とご飯を食べているときに頭の中で会話が始まって彼女の話を聞いていない、というのはどうかと思うが。
そうやって自問自答(とは少し違うのかもしれないけれど)しながら過ごしてきた厚みが、漫才になりコントになり、表現されるのだろうと思う。
正直な感想
もう一個の感想は、正直ちょっと読みたくないな、続きのページをめくりたくないな、と思ってしまったこと。
なんでだろうと考えてみた。
はたと気づいた。
たぶん、自分の中のそんなに好きじゃない部分が、若林さんに似ていて直視したくないんだ。
スタバでグランデを頼むのが恥ずかしい、という文脈で。
自意識過剰なことに対して、「誰も見てないよ」と言う人がいるがそんなことは百も承知だ。(中略)昔から言っているのだが、他人の目を気にする人は”おとなしくて奥手な人”などでは絶対にない。心の中で他人をバカにしまくっている、正真正銘のクソ野郎なのである。その筆頭が、何を隠そう私である。
正直山ちゃんの本の方は、見習うべきところはあるけれど、私はここまでクズではないと思って笑って読んでいられた。
この若林さんの本は、それが許されない。
「うわっ心当たりある・・・。」となって辛いのだ。
私もプライドが高くて自意識過剰。つい先日上司から「Sakura先生はまわりを気にしすぎだよ」と言われた。
気になってしまうのは、それを他人がやっていたときに自分が批判的な目で見てしまうからだ。
だから他人もそうやって自分を見てくるのではないかと思って周りの反応にびくびくしてしまう。
そしてそんな自分が私は好きではない。
なのにそれを直視させてくる。
だからこの本を読んでいるとページをめくる手が止まる。
もちろん、天才はあきらめたよりも時間はかかりながらも、ちゃんと最後まで読み切った。
似た者同士の二人なのかなと思っていたけれど、読後感は全然違う2冊だった。
おわりに
山里さんといい若林さんといい、不惑と言われる年代に突入している。
30代のSakuraからすると、正直まだあきらめきれないことがたくさんある。
自分はもっと明るく、ポジティブになれるんじゃないか、とか。
自分には才能があるんじゃないか、とか。
人の目なんて気にせずに生きていけるんじゃないか、とか。
たぶん二人ともそうやってあがいて、そして自分を受け入れて、の今の年齢、この2冊の本なんだと思う。
私はまだそこまであきらめきれない。
もう少しあがいていきたい。
あと10年たって、このナナメの夕暮れを読んでみたらまた違う感想になるんじゃないかと思いました。
ももクロ非常識ビジネス学 - アイドル界の常識を覆した47の哲学/小島 和宏【読書ログ・感想】
SakuraはももクロことももいろクローバーZのファン、いわゆるモノノフです。
ももクロの公式記者である小島さんの、ももクロに関する本はだいたい読んでいます。
その流れでもちろん買ったこの本ですが著者の小島さん自身が言っている通り、ももクロのファンでなくてもビジネス書として手に取ってもらえたら、なにか得るものがあるのではということでレビューします。
概要
この本はタイトルの通り、ビジネスとしてやっていこうと思ったらあり得ないだろ!と思うような、一見して非常識に思えることがひとつひとつ、今のももクロにつながっているということを紹介しています。
そもそもももクロのスタートが、大きく利益を出さなくてもいいというスタンスで始まった新規事業なので、すべてのビジネスに当てはまるものではもちろんありません。
ももクロのマネージャーさんのラジオ特別番組で著者の小島さんが言っていたのですが、本が出版されたあとにアイドル界隈で大きく話題になった事件があり、アイドル運営の在り方とは、といった文脈でこの本が紹介されることが増えて売り上げにつながったとか。
数えきれない程存在する地下アイドルをはじめ多様化するアイドルシーンですが、やはり現在主流にあるのは秋元康さん率いるAKBG・坂道シリーズでしょう。
ビジネスとしても成功していると思われ、本書でもそういったグループで行われていることとの比較がしばしば取り上げられています。
ももクロとAKBG・坂道シリーズの違い ~握手~
その一つが「握手」。
AKBG・坂道シリーズに限らず握手会をやっているアイドルグループは数多く存在します。
その多くがCDを1枚買うと1回握手ができる仕組み。
こうやってたくさんのCDが売れるシステムが出来上がります。
逆に言うと、このシステムを当初は採用していたのに途中でやめてしまったももクロには、CD売り上げ面でどうしても強くはなれない。
そして、業界関係者が「七不思議」のひとつに数えるのが「ももクロはCDの売り上げが10万枚にも満たないのに、どうしてライブではそれ以上の数を動員できるのか?」という謎である。
それでもももクロが安定した地位を築けているのはなぜか、本書では「ライブを最強で最大の『商材』にする」ということが挙げられている。
ブランディング、差別化という点で、ライブに主軸を置いたといえるのでしょうか。
こうして握手会なくても、CDがあんまり売れなくても、なんだかんだやっていけている。
まあこの点に関しては、今後もそれで大丈夫なのか、レコード会社の立場だってあるだろうし、興味深いと思っています。
ももクロとAKBG・坂道シリーズの違い ~総選挙~
また、AKBGといえば総選挙も特徴的ですね。
テレビでも放送され、関心のない層にも届いてくるような一大イベントです。
投票権がCDに含まれるので、これもまたCDの売り上げに直結します。
またファンが参加している実感を味わえるのも醍醐味です。
少人数グループでこの制度が採用されていたら、結構えぐいなとも思いますが本書ではちゃんとこの点も考察されています。
これに関しては運営サイドの戦略というよりも、メンバーのかなり強い意志が関係している。(中略)こういうメンバーの意志をちゃんと尊重してもらえるのも「ももクロらしさ」と言っていいだろう。
正直これまでの歴史を振り返れば、本人たちが嫌がっても結構いろんなことをさせられてきていたようにも思いますが(笑)
本当に嫌なこと、というのはちゃんと配慮してくれるということでしょう。
その他も目次をざっと見るだけで
- 「永続性」はシンデレラストーリーよりも強い!
- 無料サービスで開園9時間前からお祭りムードに
- エンタメ業界では「朝令暮改」も是である!
とか気になる項目が並びます。
おわりに
コアファンにとっては知っている話も多く出てきますが、自分の好きなグループが歩んできた道のりを、普段とは別の視点で確認できて面白いです。
ファンでない人にとっても、こういうやり方もあるのか、というかむしろ、なんでもありなんだ、ということを知ってもらえたらなあと思います。
アロマテラピーをはじめよう/安斎康寛【読書ログ・感想】初心者が一冊だけ買うならこれ
アロマテラピーに興味がある、やってみたい。
そんな、これからアロマテラピーをやろうとしている人におすすめの本です。
初心者向けの本はたくさんある中で、Sakuraが一冊だけ選ぶならこれ。
この本の概要 基礎から応用まで
この本の構成はこんな感じになっています。
Lesson① アロマテラピーの基本講座
・・・アロマテラピーの歴史、精油52種ガイド、キャリアオイルについて
Lesson② アロマテラピーを始めましょう
・・・悩み別おすすめレシピ、芳香浴/フェイシャルスチーム/アロマバス/アロママッサージの具体的なブレンド
Lesson③ 手作りで楽しむアロマテラピー
・・・アロマグッズやアロマコスメの作り方、具体的なおすすめブレンド
Lssson④ アロマテラピーと食生活
・・・ハーブやスパイスを使ったレシピ
アロマテラピーを基礎から学びたい人は最初から順番に読むのがおすすめ。
歴史のほか、作用の仕組みや注意点もざっと知ることができます。
手っ取り早く試してみたい人は具体的なレシピのページからスタート。
最近忙しくてバテ気味、お風呂でゆっくり疲れがとれるアロマはどんなの?
といった感じで、症状・アロマの方法からレシピを探すことができます。
痒い所に手が届くふたつの表
私が便利だなと思ったのは、本書に載っているふたつの表。
ひとつは、「悩み別で探せる精油リスト」。
新しく精油を試してみるときって、店頭で嗅いでみて気に入ったものの効果を調べてみる時と、ほしい作用から適した精油を探すのと2通りあると思います。
この表は後者の時に力を発揮します。
ぐっすり眠りたいときにはどんな精油がいいのかな、とかダイエットに使えるのはどの香りだろう、とか。
それが見開き2ページでぱっとわかるのでとても便利です。
選んだ香りをハンカチにたらすだけで、アロマを存分に楽しめます。
もうひとつは「香りのブレンド相性チェック」という表。
最初は好きな香り一種類を使ってみるのが簡単でいいと思いますが、やっぱりブレンドしてみたくなりますよね。
そんな時に使うのがこれ。
好きな香り、あるいは必要な作用をもった香りをひとつ決めて、その香りに合うのはどんな香りなのかを教えてくれます。
もちろん配合の割合によって香りもかわるし、好みもあると思いますがとても参考になる表です。
おわりに
挙げたものの他に例えばハーブやスパイスを使った料理のレシピなんてのも載っていて、日常にどうやってアロマを取り入れていくかということが様々な角度で書かれています。
とにかくこれ一冊でだいたいのことができる、わかるのでとても重宝している一冊です。
アロマテラピーが大好き。
そのうちもっと具体的なレシピのこととか実際の使い方なんかも書けたらなと思います。
天才はあきらめた/山里亮太【読書ログ・感想】
唐突ですが私Sakuraは深夜ラジオが好きです。
夜遅くまで起きていられないのですが、最近は便利な世の中になったもので radiko というサービスを使えば、無料で一週間分のラジオを聞くことができます。
ここ半年ぐらいよく聞いているラジオの中の一つが、TBSラジオで水曜深夜25:00からやっている「山里亮太の不毛な議論」
この番組のパーソナリティであるお笑い芸人山里亮太さんが書いた本が今回紹介したい本です。
ラジオでもさんざん宣伝してたし、毎週楽しく聞かせてもらっているし、ご祝儀的な意味合いも込めて買ってみたのですが。
面白かったです。
面白かったというか、考えさせられたというか。
山ちゃんとしては、いかに自分がダメ人間なのか見て笑ってくれ、といった思いがあるのでしょうが。
正直これ読んで、打ちのめされました。
この人こんなに努力してんだ、と。
モテたいという気持ちは努力の原動力
例えば第1章
普通の僕が目指すことを許される「モテたい」というオーソドックスな目標は、(中略)「面倒くさい、しんどい」と頭がたくさんの言い訳を仕掛けてきても、そんな誘惑を壊し「何かいいことをやってる」という気持ちにさせてくれた。
山ちゃんは、「モテたい」なんていう俗物のかたまりである目標でしか動けなかった自分を卑下しているんだけど。
普通の人は「あ~、モテたいなあ~」と言いながら布団でごろごろして終わりになっちゃうと思うんです。
思うだけなら誰でもできる。
そこで行動を起こして、なおかつ続けられる人がどれだけいるのか。
ネタ帳のくだりでは
こういうノート、この前数えたら前のコンビからのものを入れて100冊近くあった。
他の芸人さんが何冊ぐらい書いているものなのか知らないけれど、この量はきっと少なくない量だと思われる。
逃げないということ
そんな山ちゃんを端的に表していると私が思うのが、この一文。
逃げないための言い訳を作ることが、僕の才能の一つに追加できるかもしれない。
天才はあきらめたと言っているけれど、結局あなたは努力の天才なのね、と片づけてしまう自分がいる。
でも、そうやって突き放しちゃうのもよくなくて、努力したら結果がでるわけではないけれど、結果が出ている人はみんな努力してるんだってことを再確認して、コツコツ努力していこうと思いなおせる。
そんな、意外と考えさせられる本でした。
ま、山ちゃんがクズなことやりまくってんのも間違いないんだけど。
おわりに
オードリーの若林さんが解説に書いているけど、ほんとうにその通りだと思う。
この本読むと、「山ちゃんは天才」だよって言われたいだけだろ!!ってなる。
ちなみに同時期に若林さんも本を出している。
「ナナメの夕暮れ」
これもそのうちレビューしたいと思います。
Quick Japan vol.142 水溜りボンド グレープカンパニー特集【読書ログ・感想】
そもそもテレビをあんまり見ないので、芸人さんとかそんなに詳しくないのですが。
コントが一番好きなのは圧倒的にサンドウィッチマン。
一時期YouTubeで見まくってました。
ラジオとか昔やってたトーク中心の番組とかが好き。
さて、そんなサンドウィッチマンが特集されている(正確に言うと所属事務所のグレープカンパニーの特集)ということで、Quick Japanを久しぶりに購入しました。
グレープカンパニー特集
まず注目すべきは裏表紙ですね(違う)。
グレープカンパニーの集合写真ですが、永野さんがセンターでTDFのTシャツを着ています。
TDFというのはTeam Diamond Fourの略で、つまりはチームももクロを指します。
ももクロちゃんたち4人と、支えるスタッフやファンなど、関わる人みんなひとつのチームなんだという概念ですね。
永野さんはももクロちゃんとしょっちゅう一緒にお仕事しているし、紫のれにちゃんのファンでもあります。
なので朝のテレビ番組でも紫のグッズ着てたり、今回のようにTDFのTシャツ着てたり。
ファンの鑑ですね。
ちなみにこのTDFのシャツはSakuraも持っています。
それからカミナリや東京ホテイソンと、最近ももくろChan(テレビ朝日)で共演している面子は、グレープカンパニーなんだなと知りました。
ホテイソンのたけるくんは、今後も絡みがありそうで期待しています。
サンドのインタビューでは事務所立ち上げから、むしろデビューからのサンド二人の一貫した姿勢が垣間見えるし、後輩たちからすごく慕われている様子がうかがえて微笑ましいです。
どんなに大御所になっても、これからもネタをやっていってほしいし、やってくれるのでしょう。
水溜りボンド特集 ~YouTuber~
巻頭特集は水溜りボンドです。
最近Twitterなどでたまに見かけるのですが、恥ずかしながら知りませんでした。
YouTuberなんですね。
YouTubeはよく見ますが、YouTuberと言われる方の動画を見ることってあんまりなくて疎い世界。
インタビューを読んでみて思うのは、当たり前のことかもしれないけれどあくまでYouTubeというのは手段、ツールなんですよね。
なにかを表現したい、たくさんの人に見てもらいたいってしっかり覚悟があるんであれば、その時一番流行っているメディアで挑戦するのは当然の成り行きなんじゃないでしょうか。
表現したい、というのが最初にくるべきで、よくある子供がなりたい職業ランキングでYouTuberと聞くと感じる違和感というのは、こういうところからくるのかなと。
YouTubeの在り方、動画の流行りとか変化のスピードがものすごく早い。僕たちは常に「進化のための変化」を求められていて…(略)
これってどの世界にいても大事なことだと思うんですよね。
不変というのは長期的には衰退を示していて。
外から見てずっとかわらない存在というのは、常に変化・進化しているものなんだと。
動画も見てみようかな。
おわりに
ページを開くまで知りませんでしたが、はちみつロケットやTEAM SHACHIのページもあってスタダアイドル好きとしてはたまらない一冊でした。